小間の茶室を要した「数寄屋造りの館」

T様邸(大阪府大阪狭山市)

数寄屋造りの館において、お客様が最初に出会う表情は、こちらの表玄関。茶室へといざなう、「侘び(わび)」「寂(さび)」を、引き戸に手を添える瞬間から感じることができる門構えとなりました。

表玄関から母屋へ―――。お客様が一歩一歩茶室へと歩を進める際にも、充分に日本の四季を感じていただけるよう、石畳の演出にも神経を注いで設計しました。











茶室の前に広がる庭は「和」の趣。

お孫さんが走り回れるよう設けられた広い芝生は「洋」の趣に。熟練の庭師と時間をかけて造りあげた庭は、和と洋がさりげなく融合し合った趣のある空間として展開しています。











茶室に入る前に、手を清めるために置かれるのが、この「蹲(つくばい)」。ここにも、「侘び」「寂」の精神を忠実に表現するための、繊細な設計・手仕事を活かしました。

茶室は「準数寄屋風」。材料を揃えるため、材木屋へ出向き、色々と吟味しました。











棟梁との「数寄屋造り」についてのお話も非常に興味深く、そんな時間もまた私達にとって楽しい思い出となっています。

和を感じさせる演出が、そこかしこに見られる玄関。











引き戸や天井、床、照明まで、お客様の感覚を丁寧に感化できるよう、神経を注ぎ込んだ設計を施しました。

茶室空間は大きく分けて「小間」「四畳半」「広間」とに分けられますが、今回は、四畳半以下の空間を指す「小間」でのご希望となりました。実は「小間」の設計は非常に珍しく、当然ながら、広い空間では考えられない天井の高さとバランスに苦心したと言うのが率直な感想です。











「テーブルでも茶会が出来る洋間を…」と言う奥様のご希望で生まれたのが、「小間」に隣接した床敷きのこの空間。炉・躙口(にじりぐち)など、さまざまな茶室要素の取り込みや位置の設定において難しい点が多くありましたが、想像以上のものができたと心から満足しています。

実は、こちらの洋間、囲碁が趣味のご主人のご希望もあり、「囲碁の会」が催せる場としての機能も兼ね備えた設計となりました。そのため、手元が明るく見えるよう照明の工夫にも気を配っています。











数寄屋造りの館ということで、台所も、最新の機能を設置しつつも内装は和風。こちらも、窓枠の木の素材・色、また設備の色合いとのバランスにもこだわり空間を創り上げました。











完成後・・・

「私達の思った以上のものが出来上がり、心から満足しております。ありがとうございました」という言葉を、お客様よりかけていただきました。
一緒に建物を見上げながら、その瞬間、本当にもうその一言で、それまでの疲れも一気に解けたほどです。この仕事を心の中で充分に満喫している自分にも気付いたことをよく覚え、私達にとって忘れない仕事のひとつとなりました。

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